「石田三成の青春」松本 匡代 サンライズ出版

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松本さんといえば新選組と思っていましたが、なぜ三成を?という疑問はあとがきを読んでわかりました。
石田三成は最近ゲームの影響などで若者に人気があると聞いていたし、NHKの時代劇でも三成役を小栗旬や山本耕史などハンサム俳優さんが演じていたけど。どうも、私は正直三成が好きになれなかった。
でも、この本を読んで三成ってどういう人だったのか、何を考えて関ヶ原まで突き進んだのか、彼の目指していたものは何だったのか、ということがストンと自分の中で納得できた気がしました。なぜ?というより、三成にはああいう風にするしかなかった、というか彼にとっては「なぜ?」と聞かれること事態が意外だったのだろうな、と。

松本さんは三成という人となりを幼少期から関ヶ原直前まで描き出していきます。だから「青春」。肝心の関ヶ原の闘いの部分はほとんど書かれていません。それがかえってよかったと思う。9章の章立てのうち、8章の「友情のかたち」で一度終わって、9章の「友よ」で大谷吉継が三成に加勢すると決意するシーンが書かれているのだけど、この章立てがすごくよかった。8章の終わりが

湖国に、また夏が来る。
あの日三成が眺めた佐和山が、緑に覆われ、初夏の日差しに映えていた。

で終わるのだけど、これがとてもよかった。
そして、9章の「友よ」で三成の吉継の語り合うシーンに返るわけだけど、この構成が秀逸だと思ったです。
不覚にも。
三成も吉継もそれほど好きではない私が不覚にも。
9章で涙をこぼしてしまった。

三成って、今風にいえば「めんどうくさいヤツ」だったんでしょうね。
松本さんは本の中でこう書いてます。

三成は優秀なうえに誠実な人間だった。
自分より下の者、自分が守るべき者に対しては細やかな心配りができる。
武士道が未だ熟していない当時としては、珍しいほど石田の家の結束は固かった。
が、自分と同等、もしくはそれ以上の人間に対してとなると、とたんに厳しくなるのだ。
相手の心情、行動も自分を基準に考える。

ここらへんが、三成を三成としているゆえんでしょうね。

また、三成にとって秀吉は「絶対神」だったと。
三成は秀吉死後も、「太閤殿下の御意思に縛られて生きていく、と。

三成にとっては関ヶ原は起こすべき戦いだったから、そうした。
秀康が秀頼の天下を脅かすから倒すべきだ。それだけ。
それは正義であり、当然のことで、皆も当然理解すべきで合意すべきだ。

まあ、わからないわけでもない。
でも、現実世界ではそんな理念だけではやっていけない。
まあまあ、と適当に妥協しないといけないわけで。
三成はある意味真っ直ぐ真四角な人だったのでしょうね。

石田三成という人の生き方をすごくうまく表現している本だと思います。

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この記事へのコメント

松本匡代
2016年11月22日 17:35
うさぎざん、毎度有難うございます(笑)
手探りで書いた三成像を、全面的に肯定、評価してい頂き、嬉しいです。感激です。
やはり同好の士(新選組好き)、わかって頂けるのかなあ。ツイッターで紹介してもいいですか?
本当にありがとうございました!!
うさぎ
2016年11月23日 08:45
松本先生、どうもコメントありがとうございます。もちろんツイッターで紹介していただいて問題ありません。
次回作も楽しみにしております!必ず読みます!できればまた新選組からみの作品読みたいです!
松本匡代
2016年11月23日 20:32
ツイッターのみならず、フェイスブックでも紹介させていただきました!

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